「まあ、座り給えよ。」

 「悪いな。」

 「何、私も此処は借り物でね、ただ好きにして良いと言われている。
  だから私の客人の君も好きにして良いのさ。」

 「それは有難い事だな。」

 そう言うとクロは部屋内の本棚を横目に蹴った。

 厚い壁を突き破った本棚は力無く地に落ちる。

 「おやおや、中々に乱暴じゃないか。」

 「組織者なんて皆そんなもんだろ。」

 そういうとクロは逆方向の本棚も蹴り落とす。

 「夢は世界征服、暴虐も必要かね?
  結構、良い脚力だ。
  ・・・・・・座り給え。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 クロはようやく促されるまま椅子に腰を下ろす。

 「こんな辺鄙な土地まで良く来たね。
  まあ存分に寛ぎ給えよ。
  ・・・・・・組織『Brrack Menf』総長、氷上=P・クロ。」

 「まさかお前こそこんな所にいるとはな。
  言われた通り好き勝手にさせてもらう。
  ・・・・・・組織『八星(ハイトエトワール)』構成員、シド・ヴェイン。」



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