第147話 “邂逅−仮面と悪魔−”


 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 部屋に入ったヴァン。

 広いだけで何も無い質素な部屋。
 その大きな窓際に佇む者が一人。

 「・・・・・・・・・初めまして。」

 ヴァンの気配を察してかその者は振り向いて言った。

 仮面。

 高い背に金色の仮面を着けている。

 一瞬噂の仮面の悪魔かと思ったが、
 仮面の色、身に纏う白衣、何よりも地に足付いている事により違う様だ。

 最も、ここにいた時点で既に怪しいのだが。

 「君は一体何者――――――

 「格闘王は挨拶を返す事もしない礼儀知らずなのか?」

 「!」

 仮面を被っているが声は良く聞こえる。

 どうやら相手はヴァンを知っているらしい。
 最も、ヴァンは格闘王として世界中に顔を知られている為当たり前と言えば当たり前なのだが。

 「・・・・・・初めまして。」

 「結構。」

 「それで、君は?」

 「私の名はアルハザード。
  ただのしがない科学者だ・・・。」

 「アルハザード・・・、北の機械王だね。」

 この世界には東西南北の『機械王』と呼ばれる者がいる。
 4人の機械技術に関する第一人者達。
 その中の一人が彼、アルハザードだ。

 「いかにも。」