第146話 “魔軍基地探索”


 薄暗い中、海里は魔軍基地の一階を調べる。

 「酷いわね・・・。」

 若干12歳にして血には慣れている彼女だったが、
 それでも流石に此の光景は目に余る。

 様々な色の血が交じり合って黒に。
 死体をどけるだけでも一苦労だ。

 《12歳の幼女がなあ・・・。》

 「甘く見ないで。
  これでも組織幹部の一人よ。」

 正味な話組織内でもかなり肝が据わっている方だ。

 何故彼女が組織に、そしてクロが認めた理由は謎に包まれている。

 警戒しながらも手当たり次第に部屋をチェックするが・・・。

 「本当に生存者は誰もいないわね・・・。
  それどころかこの基地や魔軍に関する資料すらない・・・。
  相当な杜撰なのか、わざと対策としているのか・・・。
  ・・・・・・・・・厄介ね・・・。」

 その部屋を諦め次の部屋に移る。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 どうやら小さな書庫の様だが・・・。

 「・・・駄目ね。」

 美味い酒の事典、ぐちゃぐちゃの塗り絵、引き裂き破かれた料理本、
 はたまたグロテスクなものから卑猥な本まで。

 役に立ちそうなものは何一つない。
 良くRPGで調べられない本棚というのはこれらの様なものなのだろうか?

 海里は溜息をついて部屋を出た。