尻餅を着き恐怖で下がる町娘。

 「・・・・・・・・・!・・・・・・・・・・・・・・!!?」

 恐怖で声が出ない。

 仮面の悪魔が近付いて来る。

 「御機嫌様、お嬢さん。」

 「・・・・・・ぁ・・・ぁぁあ・・・・・・!」

 後ろへ下がる町娘へ仮面の悪魔は一気に近付いた。
 目の前に目玉模様の銀化面が来、町娘は恐怖に固まる。

 「良いかな、お嬢さん。
  今から1時間35分19秒126此処は俺の縄張りだ。
  誰にも言うな、決して近付くな。
  其の後は好きにして全く構わない。
  人に話そうが、此処に入ろうが。」

 その時間帯に何かがあるのだろうか?
 町娘は何が何だか分からないといった顔だ。
 目の前で人が殺され、その殺人鬼が目の前にいるのだから仕方無いのだろう。

 「良いか・・・?」

 「・・・・・・ふぇ!?」

 放心状態だった町娘ははっと気を取り戻した。

 「分かったのか?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・!!」

 町娘はまるで壊れた人形の様に激しく何度も頷いた。

 「なら行くが良い。
  ・・・・・・・・・・・・・・・早く!」

 町娘は声に驚き脱兎の如く逃げ出した。

 後には仮面の悪魔のみが残される。

 彼はここの自称番人。
 何らかの理由でここを不法占拠せし者。

 果たして彼は一体何が目的なのだろうか?

 「シラケー。」

 上空にはシラケ鳥が飛んでいる。

 「もう少し・・・あと少しなのだ・・・・・・。」

 仮面の悪魔は静かにつぶやいた。



  ←今回の一枚(おまけ)。

  ←いっこ前へ。

  ←小説選択へ。