第143話 “縄張りの時間”


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 某超有名ハンバーガーショップのカウンター。
 雷太はそこで考え込んでいた。

 「どうしたのよ雷太?」

 同じくカウンターに立つミルフィが話掛けて来た。

 「いや〜・・・、ちょっとな〜・・・。」

 「何よ・・・?
  ・・・・・・言ってみなさいよ、言えるなら。」

 「そうだなあ。」

 ちょうど客もいない。
 組織に属していないミルフィになら話しても良いだろう。

 「近い内に『魔軍』に行くんだけどなあ・・・。」

 「へえ・・・、潰すの?」

 「ああ・・・、だけど情報が全く無いしな・・・。
  どうやったら良いのか考えてるんだよ。」

 「ふ〜・・・ん。
  でも良いの?そんな組織の情報漏らして?」

 「あ〜・・・、ミルフィなら良いんじゃないか?
  組織に属してないし第一級魔導士だし。
  それにそれ相応の信頼はしてるつもりだし。」

 「あら、ありがと。」

 「ん〜・・・、で、どうよ?」

 「そうねえ・・・・・・。」

 ミルフィは考え込む仕草を見せた。