第140話 “魔軍”


 「『魔軍』・・・・・・。」

 雷太はつぶやいた。

 《小猿でも知っている。》

 「やかましい!」



 “強大組織”『魔軍』。
 ナレクト大陸に本拠地を持つ組織だ。
 詳細は分からないが名前からすると魔族が多いのだろうか。
 謎が多過ぎるので“謎の組織”に分類されるところだったが、
 IFPに『魔軍』直々から所在地を明かして来たので“強大組織”に分類されたらしい。



 「一切不明だけど大丈夫か?」

 「家も似た様なもんだし大丈夫だろ。
  それに大体の事は黒霧に調べてもらった。」

 クロが煙草を吸って答えた。

 黒霧は参謀だが情報収集の役目も担っている。

 「調べたが魔軍はかなり特殊な組織だった。」

 黒霧が言った。

 「組織の建物は本拠地のナレクトにある一つだけだ。
  どうやら組織構成員は全て其処に住んでいるらしい。
  またこれが珍しいのだが、所謂階級がないんだ。」

 「・・・・・・と、いうと?」

 「つまり皆平等だ。
  総長やリーダーもいなければ幹部もいない。」

 「・・・・・・・・・厄介だな。」

 クロがつぶやいた。

 「確かにねえ・・・。」

 ヴァンも同意する。

 「どういう事だ?」

 雷太は分からない様だ。