爽やかな朝だ。

 雲一つない快晴の空は朝焼けに染まり、上空には『シラケ鳥』が鳴きながら飛んでいる。

 他には何も音がしない。

 ・・・・・・爽やかな・・・朝だ。



 「ぃやっっった〜〜〜!!!!!」



 突然何者かの大きな声が響き渡った。

 その驚きと不快さに、周りの生物は全て逃げ出す。

 ・・・・・・最低の・・・朝だ。



 「やったぜ!俺またジョー・ディヴィルの本に載るのか!」

 叫んだのはまだパジャマ姿で郵便を取りに来たこの馬鹿だ。

 《・・・・・・戯けが!》

 しかし戯けは無視しやがった。

 「いや〜、今日はいい朝だなあ。」

 《・・・・・・・・・・・・。》

 やがて雷太は二階に行き、着替えてまた一階へ戻ってきた。

 「さ〜て、朝めしでも作るか♪」

 《・・・・・・こいつ、完全に任務の事忘れてないか・・・?》



 ♪ピーンポーン♪



 「ん?誰だ?こんな朝っぱらから。」

 雷太は玄関へと歩いて行き、扉を開けた。

 「は〜い。」

 「雷太さあああぁぁぁん!!!」

 玄関を開けた途端に何者かが抱きついてきたので、雷太は思わず尻餅をついた。

 「・・・いたた・・・・・・。」

 よく見てみると、抱きついているのは金髪の男で、涙と鼻水を流し、更に無精ひげを生やしている。

 「・・・・・・。(・・・・・・誰だ?)」