「さて、話は済んだな。」

 クロが雷太を座らせると言った。

 《相変わらずのスルー力だ・・・。》

 「今回も組織を攻めるのか?」

 雷太が聞いた。

 「ああ、ただ実質的には初めてだな。
  今回は宝を取りに行くとか悠長なものじゃない。
  言葉通りある組織を潰す。」

 場に緊張が走った。

 「・・・・・・その組織は・・・?」

 クロは煙草を大きく吸って答える。

 「“強大組織”『魔軍』。」



 ある場所、惨劇の場。

 白い壁がぶちまけた紅で染まっている。

 「終わったか・・・?」

 白い髪に白い長襦袢、そして白馬乗袴の男が聞いた。

 「ああ、終わったぜ『ヴェルサス』。
  全員仲良くお陀仏だ。」

 黒い大剣は血塗れで今も滴っている。

 「そうか・・・・・・。
  何も全員殺す事はないと思うんだがな。」

 「甘えた事言うな。
  未来の敵は一人でも少ない方が良いだろ。」

 「・・・・・・それは否定しない。」

 「結構だ。」

 「ところで次はどこへ行くんだ?
  予定がないなら俺は帰るぞ、『アーク』。」

 アークは黒大剣を背に刺しにやりと笑った。

 「残念、まだ予定は詰まってる。」

 「そうか、ではどこだ?」

 「“強大組織”『魔軍』。」

 黒甲冑と白袴。

 二人は目的地へと歩き始めた。



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