第133話 “宅配伝次郎”


 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 陽優しき快晴の下、クロは窓から外を眺めていた。

 「全員呼んだのか?」

 椅子に座る人物が聞いた。

 「ああ。」

 「本当に動くんだな、組織単位で。」

 「不服か?『黒霧』。」

 問われた女性は不適に笑う。

 「まさか、待ち望んでいたところだ。」

 「だろうな。」

 静寂。

 シラケ鳥の鳴き声が軽やかに響く。

 「ところで『ブレイド』と『ジャン』への手紙はどうした?」

 「ジャンは届けたんだが・・・・・・。
  ・・・・・・済まん、ブレイドは場所が分からなかったので『伝次郎』に頼んでしまった。」

 「構わない。
  後で経費で落としておこう。」

 「予測の範疇か?」

 「可能性のな。
  あと先に言っておくがお前にも出てもらうぞ。」

 「気乗りはしないがな。
  暗躍者ではなく参謀として出よう。」

 彼女はクロが淹れたカフェ・ロワイヤルを飲む。