「良くそれで俺に喧嘩を売ったもんだな・・・。
  ・・・・・・詰まらん、余興にもならねえ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「弱いやつは死ねば良い・・・。
  強ければ一、弱ければ二。
  死ねよ・・・、死ね、死ね、死ね・・・!!!
  ・・・・・・・・・・・・・・・殺す・・・・・・!!!」

 アークは一瞬で後方へ離れた。

 バチッ・・・バリバリッ・・・

 凄まじい魔力が彼に集まっていく・・・。



 バチッ・・・バリバリバリッ



 アークの左手が激しく光る。

 「高等風魔法『解き放つ大暴風(ハルシオン・リベレイト(halcyon liberate))』!!!」

 一瞬暖かな風がバルロクスを包んだ。

 「た、太郎さ――――――



 無音となった空間。

 男は血染めの大剣を抜いて背に刺し辺りを見回す。

 「記憶を引っ張り出しても良いが・・・・・・、面倒臭え。」

 息を吐いた後視線は肉塊へと注がれる。

 「氷雨の事も聞いておくべきだったか?
  ・・・・・・・・・・・・いや、無駄だな。」

 そう言うと踵を返し、入り口へと歩き始めた。

 暇なので大剣で壁を斬り削りながら。

 「待っていろ、龍 雷太、そして氷雨。
  ふふふ・・・ははははは・・・・・・、
  ハ――――ハッハッハッハッハ!!」

 邪悪に堕ちし英雄は狂った様に笑い歩く。

 己が宿敵に向かいて。



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