第128話 “天才の面影”


 「立ち上がる・・・だと・・・?」

 「・・・・・・・・・まあな・・・。」

 しかし新太郎の左腕はだらりと下がっている。

 「しかしダメージはある様だな。
  骨が折れたか筋が切れたか。
  其れでは闘えまい、潔く降参するが良い。」





 「左腕が痺れて動かないなあ・・・。」

 「左様か。
  其れでは闘えまい、潔く降参するが良い。」

 「馬鹿言わないでよ。
  格闘家に闘中の怪我は基本の沙汰。
  丁度良いハンデと思ったら良いさ。」

 「ぬ・・・・・・不愉快な・・・。」






 「馬鹿言うな。
  格闘家に闘中の怪我は基本の沙汰。
  丁度良いハンデと思っとけよ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 バルロクスは無言で構えた。

 新太郎も右腕を構える。

 「来いよ・・・。」

 新太郎は手招きした。

 本当は左腕が邪魔で動き難いのだが。