第115話 “炎の町と水の町”


 ガラスの中で踊る小さな火の玉。
 それを雷太は食い入るように見つめていた。

 ひとしきり動きまわった後、3分経つと同時に火の玉は下に落ちる。

 「おお〜・・・・・・凄え!!」

 再び火の玉時計をひっくり返す。

 「おい雷太!これを見ろ!」

 新太郎の声に反応し後ろを見ると、
 新太郎が手に青い火の塊を乗せている。

 「げっ!?熱くないのかお前!?」

 「全然、それどころか冷たくて面白いぜ?」

 「どうなってるんだ?」

 「ああ、それは冷火さ。」

 店のおやじが言った。

 何も知らない二人はそのまま聞く。

 「町長のデイハードさんが発明した炎で、
  10℃前後の火の塊らしいね。
  何でも町長さん自身が作っているとか・・・。」

 「へぇ〜。」

 二人は他にも様々な物を見る。

 火の玉時計、冷火、噴炎、火道、火餃子・・・。

 この町にはこの町にしかない特産品が多い。