第114話 “袂別兄弟”


 「戦争・・・・・・なあ。
  その内やりやがるとは思っていたが、意外と早かったな。」

 デイハードが言った。

 「まあ、ちょうど良い時なんでな。」

 「あくまでも町長だからね、
  僕達は協力出来ないよ?
  ・・・・・・・・・表向きにはね。」

 「まあ、少人数が通り抜けるってぐらいは
  流石の俺達でもどうしようもないよな、尊人。」

 「残念ながら何も聞いていないからね、デイハード。」

 どうやら二人とも協力してくれるようだ。

 《あくまで裏でだけどな。》

 多くの町民を預かる身の町長。
 流石に表向きに組織に協力するわけには行かないのだ。

 「まあ会えはしないが手配はしてやる。
  たとえ町長だろうが友人を邪険にするようじゃ男が廃るからな。」

 「ああ、感謝する。」

 「どう致しまして。」

 「じゃあ、そろそろ俺達は帰るぞ?」

 二人は席を立った。