しばらくして、両名が氷雨に案内され入って来た。

 背は二人とも同じ程度。
 片方は燃えるような赤髪、もう片方は透き通るような青髪だ。

 「ご主人・・・。」

 そう言うとカリスは赤髪の男の方に歩いていく。

 「遅かったな二人共。
  正直もう少し早いと思っていたぞ。」

 クロが二人に言う。

 「うるせえよ。
  こっちは職務置いてきて来てやったんだ。
  もう少し労いの言葉があっても良いと思うがな。」

 赤髪の男が言った。

 「まあ、歓迎はされているみたいだけどね。」

 青髪の男が言う。

 「とりあえず先に自己紹介するぞ尊人。
  町長たるものまずは規律を守るにある。
  初めまして。俺の名は『デイハード・ウィンスコット』。
  『炎の町:バースハース』の町長で、カリスの飼い主だ。」

 「初めまして、僕の名は『椎名 尊人』(しいな たかひと)。
  『水の町:デリュジャン』の町長さ。」

 「炎の町と水の町の町長ってあの・・・。」

 雷太は思い出した。

 炎の町の『デイハード・ウィンスコット』。
 水の町の『椎名 尊人』。
 二人とも実力者で有名な町長だ。

 確か能力は・・・・・・。

 「『第一級魔導士の王:龍 雷太』か。
  初めまして、宜しくな。
  こんな言葉遣いしか出来なくて済まん。
  どうも敬語ってやつは俺は苦手でな・・・。」

 「まあ、許してやってよウィンはこういうやつだから。
  初めまして、宜しくお願いします。
  しかし・・・・・・結構錚々たるメンバーだねえ。」

 二人は周りを見回した。

 「『東の機械王:デューク・W・J・H』に、
  『次期格闘王候補:乾 新太郎』、そして龍 雷太。
  そして今いないが『格闘王:ヴァン・V・A』までいるそうだ。
  こんな錚々たるメンバーでお前は何をする気なんだ、氷上?」

 クロは煙草を灰皿に押し付けた。

 「何、ちょっと戦争をな。」

 「ほう、面白えじゃねえか。」



  ←いっこ前へ

  ←小説選択へ。