第110話 “伝説組織”


 「エンシエントレジェンズ・・・。」

 雷太がつぶやいた。

 《小猿でも知っている。》

 「やかましいっ!」



 『エンシエントレジェンズ』。
 通称『伝説組織』。
 英単訳だと『古の伝説達』。



 「あいつらのメンバーがいる程の洞窟か・・・。」

 「な?おもろいやろ?」

 「そうだな・・・・・・。」

 恐らくクロは乗り気なのだろう。

 エンシエントレジェンズが相手となれば何も問題が無い上に、
 相手は必ず強者、そして珍しい物まであるはずだ。



 上記から分かるかもしれないが、
 エンシエントレジェンズは普通の組織ではない。
 果たして、読者の皆様は聞いた事が無いだろうか?
 ある宝を守るモンスター、ある洞窟の出口を塞ぐ怪物。
 彼等が寄り集まり連合を作ったもの、それがエンシエントレジェンズだ。
 つまり、彼等がいる場には『何か価値のある物』が必ずあり、
 それを守る役割を持つ彼等は個々が必ず強いのである。



 「後腐れも無いしな・・・。
  今の状況では最善の組織かもしれない。」



 エンシエントレジェンズが特殊な面は、
 組織意識の虚無にあるとも言える。
 もし何処かの場で彼等のメンバーを倒しても、
 エンシエントレジェンズからの報復等は絶対に無いのだ。
 むしろ、『あいつはやられた。』の一言で終わるらしい。
 故に、世界一仲間意識の薄い組織とも言われている。