第11話 “訪問−新太郎−”


 同日午後9時、雷太は自分の家にいた。

 既にシャワーを浴び寝巻き姿だ。

 「まったく・・・。今日はひどい目にあったぜ・・・。」

 ひどいめというのは、ラドクリフの毒ガス事件の事だ。

 やがて雷太は自分の部屋を出た。

 「・・・・・・飯食お。」

 雷太は階段を下りる。



 ♪ピーンポーン♪



 突然、玄関のチャイムが鳴った。

 「ん?誰だ?」



 ♪ピンポン♪



 ちなみに彼の家のチャイムは押すと♪ピン♪、離すと♪ポン♪と鳴る仕組みになっている。

 「はいはい。今出ますよ・・・・・・。」



 ♪ピンポンピンポンピピピピンポ―――ンピピピピピピピピピピピピピピピピ(一秒)ンポン
   ピ―――――――――――――――――――――――――――・・・・・・ ・ ・ ・                  ポン♪



 「!だ〜〜〜っ!くそっ!」

 雷太は勢いよく玄関を開けた。

 「うるせえよっ!!」

 しかし、言われた本人は何処吹く風で、詫びるどころか笑っている。

 「よう、雷太。」

 「新太郎か・・・。何の用だ?」

 「何の用だ?はないだろ。・・・・・・まあ入れろよ。これ、結構重いんだ。」

 新太郎は背に大きな荷物を背負っている。

 「・・・わかった・・・、入れよ。」