第109話 “面白い所”


 クロの家へと向かう道中。
 雷太と新太郎は走っていた。

 「急げ!遅れると怒られるぞ!?」

 「急いでるよ!」

 「ちくしょう!すぐ行くって言ったのに時間食っちまった!」

 《小猿には時間に遅れるどころか、
  人までもを巻き込む才能があるのだろうか・・・?》

 とりあえず何とかクロの家に着く。

 玄関の呼び鈴を押すと氷雨が出てきた。

 「あれ?氷雨ちゃんもう休暇終わったんだ?」

 新太郎が声を掛ける。

 「ええ、お騒がせしました。
  どうぞ、クロさんがお待ちです。」

 「もう少し休んでも良いと思うけど?」

 今度は雷太だ。

 「いえ、これでも仕事ですので。
  雷太さん達も頑張って下さいね?」

 「うん、ありがとう。」