何故皆がこのように狂喜しているか?
それはクロが実は異常な程に料理が上手いからである。
氷雨や時雨も勿論相当に上手いが、クロや啓太には敵わない。
非公式だが啓太も実はクロに匹敵し、それはクロ自身も認めている。
クロの腕は世界でも三本の指に入ると言われているそうだ・・・・・・。
「クロの料理が食えるとか・・・・・・奇跡だ・・・!」
「今日来て良かったな雷太!」
ただ、2人の唯一の欠点は料理を全くしない事だ。
クロは氷雨に任せっきりで絶対に自分からはしようとはしないし、
啓太もここへ来てから全くしなくなってしまった。
故にクロが自ら料理をしようと言うなど、はっきり言って奇跡に等しいのだ。
「とりあえず各自好きなもの作ってやるから適当に食いたいものを言え。」
こうして、クロの家の時間はゆっくりと過ぎていった・・・・・・。
ここはとある大通り。
人々の声や車のクラクション等が甲高く響き渡っている。
そこへあの男はやって来たようだ・・・・・・。
「・・・ここはどこだ?
・・・・・・チャンポンチャン大陸に向かっていたつもりだったのだが・・・、
いつの間にかこの様な大通りに来てしまった・・・・・・。
・・・・・・・・・中華料理系の看板がそこかしらにあるな・・・。
と、いう事はここは・・・・・・・・・・・・・・・ナレクト大陸か・・・。」
《何でだよ!?ここチャンポンチャンで合ってるから!??》
「・・・・・・一応人に聞いてみるか・・・。」
《うん、もうほんとにそうしろ・・・。(;´Д`)》
「ね〜ね〜、この人ちょっと格好よくな〜い?」
「あ、ホントだ→!カッコE!!」
3人の女子高生らしき者が、雑誌を手に話している。
「ねぇ美春ぅ、この人格好よくない?」
話し掛けられたのは飯川 美春だ。
「・・・・・・そうかしら?」
「美春は乾 新太郎一筋だもんね→。
確かにあの人めっちゃカッコEけど→。」