第104話 “天空地海轄”


 「『天空地海轄』って・・・・・・あの?」

 「何だ、知ってるのか雷太?・・・意外だな。」

 「今、此処に奇跡が起こった・・・。」

 「うむ、全くだ。」

 皆驚いているようだ。
 雷太の無知にもう既に慣れてしまったらしい。

 「いや、うっさいなー!
  ま、まあ今日ここに来る時に聖子ちゃんに聞いたんだけど・・・。
  ・・・・・・実はそんだけ・・・・・・・・・ごめん。」

 「ああ、聖子か。
  まあつまり、名前意外何も知らないって事だな?」

 「・・・・・・・・・すんません。

 「安心しろ、俺達も殆ど知らない。」

 「・・・・・・・・・へ?」

 雷太は拍子抜けたようだ。

 「つまりだ、これはほぼ全ての組織に言える事なんだが、
  組織の名前以外情報を全く公開していないのさ。
  情報は命だからな、何か一つ漏れただけで大問題だ。
  もちろん、家もな?何も情報は漏らさないようにしている。」

 「へぇ〜・・・・・・。
  ・・・って事はクロ達も全然知らないって事だな?」

 雷太の顔がパッと明るくなった。

 「・・・・・・・・・いや、それでも少しぐらいの
  自然に漏れた情報ぐらい知っておくべきなんだがな。」

 「ああ・・・・・・そう。」

 雷太の顔がしゅんと暗くなった。

 「ですよね〜クロさん!常識なんだぜ雷太君?」

 「・・・・・・・・・・・・。
  (後で新太郎殺そう。)」

 「まあ良い、説明してやる。
  『天空地海轄』とはその肩書き通り、
  現在世界で最強といわれる組織・・・・・・。
  その戦力は他の『超巨大組織』3つを合わせたよりも高いと言われている。
  在所も、メンバーも不明だが、構成人数はゆうに1万を超えるらしい。」

 「い、1万・・・!?」

 《流石に多すぎだろ・・・・・・。》