ちなみに、この世界は武器の携帯に関する規定が全く無い。
犯罪行為は許されないが、携帯や正当防衛は全く構わない。
現に雷太は仕事中にもかかわらずいつも通りシルヴァトゥースを背に差しているし、瞬と燃も両刃の剣を腰に差している。
石田 優一も・・・・・・・・・眼鏡を装着中だ。
「・・・まあ落ち着けよ、2人共。」
右手を挙げて瞬が制止した。
とはいえ、左手は油断なく腰の剣の柄にかかっている。
「あんた、見たところIFPらしいがここで戦っちゃまずくないか?
・・・・・・・・・それに、『IFP規約第32条』に違反すると思うが?」
「・・・・・・・・・・・・、“IFPに属する者はその敵対する者が悪行を行っていない限り、捕縛または危害を加えてはならない。”か・・・・・・。
・・・・・・そうだな、規則は守る為にあるものだ。・・・命拾いしたな。」
ラドクリフは背の鞘に刀を納めた。
《つまり、現行犯以外逮捕、戦闘禁止って事さね。》
その通り、甘いようだが、敵(組織)の強さと世論を考えるとこれが最善なのだ。
「・・・悪いな。」
雷太は瞬に礼を言った。
「いいよ。流石に店の中で暴れられちゃ困るんでな。
・・・・・・その代わり、お前が接客しろよ。」
「えっ!?何で!?」
「知り合いなんだろ?少なくとも。」
「う・・・・・・、わかったよ。」
ラドクリフは既に席に着いている。
雷太は複雑な気分で聞いた。
「あ、あの・・・・・・ご注文は?」
「・・・・・・コーヒー2つ。」
「2つ?まだ誰か来るのか?」
「・・・ついでだ。お前も付き合え。」
「!ええ〜〜〜!!」
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