人々はまだまだ残っている。
変わらず彼を討とうと城へ向かってくる。
雷太は再び彼に凄まじき魔力が集まるのを感じた。
「悪いなあ・・・、今日は少し時間がねえんだ。
俺は今日ゴミ遊びをしている暇はねえんだよ。
古代闇魔法『暗黒なる悪食王(レール・クヴォーク(lale kboch))』」
「うお・・・!うおおおおお!!」
音も無く人々が次々と巨大な闇球の中に吸い込まれていく。
やはり雷太や城には全く影響は無いようだ。
「う・・・、ち・・・く・・・しょおおお!!!」
「お、おい!」
雷太の横にいた者も吸い込まれた。
手をつかみ引きとめようとしたがやはりすりぬけて触れない。
「なんだよ・・・これ・・・。」
やがて誰もいなくなった。
皆闇球の中に吸い込まれてしまった。
その闇球もゆっくりと消えていく・・・。
「みんな・・・死んだのか?」
テラスの者は冷笑を浮かべた。
「下らん・・・。」
「おい、おまえ何やってんだよ!!」
雷太が叫んだ、しかし無反応だ。
やはり彼にも声はおろか姿も見えていないらしい。
「くっ・・・!
炎魔法『ヤイバ』!」
炎の塊が飛んでいくが、やはり当たらずすりぬける。
「ゴミ雑魚が・・・。
無駄な時間と魔力を使った・・・。
てめえらが敵うかよ、俺を誰だと思ってる・・・?
古代魔法王 魔王オリシオン様だぜ・・・?」
そう言い、彼は城の中へ入っていった・・・。
「魔王・・・・・・オリシオン・・・?」
そんな・・・・・・。
まさか・・・ここは・・・・・・?
「・・・・・・約2000年前・・・?」
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