第86話 “城の者と古代魔法”


 雷太は呆然としていた。

 正直わけが分からない。

 とりあえず元々目指していた城に向かい歩くことにする。

 彼らの目的地が城ならばまた会うはずだ。

 雷太は歩き出した。

 その時・・・・・・・・・。



 ドオオォォォオオン!!!



 凄まじい爆音と共に、城の手前150m付近で火柱が上がった。

 「な・・・なんだ!?」

 雷太は思わず駆け出した。

 《野次馬の達人、龍 雷太さんだ!》

 「違ーよ!」



 着いてみるとそこは凄惨を極めていた。

 着くまでにも何回か火柱が上がったが、
 さっきの人々の死体が山ほど転がっている。

 肉片、手足、焦げた何か、脳漿。
 常人なら吐くか気絶するかもしれない。

 生き残った人々は、変わらず城を目指している。

 と、城のテラスに人らしきものが一人現れた。

 しかし雷太には顔がよく見えない。

 人々はそれを確認し止まる。

 「また下らないゴミ共が来たものだ・・・。
  俺に何のようだ・・・?ゴミ雑魚共。」

 城の者は上から冷たく言い放った。
 明らかに人々を軽蔑し見下している。