すぐにセンは受身を取り、立ち上がる。

 「・・・一つ、聞いて良いか?」

 新太郎がセンに言う。

 「・・・どうぞ・・・・・・?」

 口の鮮血を拭いながらセンも答える。

 「お前、・・・剣術素人だろ?」

 「・・・・・・そうですよ・・・。」

 思い切り空気抵抗を受けている刀の振り音に、あの滅茶苦茶な振り回し。
 相手を殺す気の、少しでも刀を知っているものなら絶対にしない。

 「でも、あなたにはそれで十分でしょう・・・・・・・・・?」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・行きます!」

 再びセンは突っ込んで来た。

 素人故に、突きを出す事がバレバレである。

 「・・・俺は近くに達人がいるから分かるんだが・・・。」

 新太郎は右拳を固く握った。

 「刀はな・・・・・・一閃で誇りと命のやり取りしてんだ・・・!」

 センは勢いそのまま右手平突きを繰り出す。



 ゴキン!



 「・・・・・・がっ・・・!」

 新太郎のクロスカウンターがまともに入った。

 センはそのまま仰向けに倒れる。

 「素人が戦場で刀振り回してんじゃねえよ。」



  ←いっこ前へ

  ←小説選択へ。